木を伐採するとき、「○○の木を切るんだけど」と
お声がけいただけるときがあります。
そんなときは少し分けていただき、自分で製材もしています。
チェーンソーで割って製材
先日、親戚の家で大きなけやきの木を切り倒したと聞き、
すこし分けてもらいました。
冬の間の薪にするとのことで、玉切りされる前段階のものをいくつか。
その中でも60~80センチほどの幹を7,8本ほどいただいたので、
1つをチェーンソーで割ってみました。
こうして何枚かの板に割ったら乾燥させる工程に入ります。
木材の乾燥工程
住宅でも小物でも同じですが、木材はしっかりと乾燥させて使います。
木材は乾燥する過程で収縮したり、反りや割れなどの変化が起こります。
建ててからそんなことが起こっては大変なので、家づくりに使う材料は
工場でしっかりと乾燥させ、安定した状態のものを使用しています。
小物作りのときも同様ですね。
乾燥度合いは含水率で測る
木材の乾燥度合いを測る指標に、含水率というものがあります。
これは「木材がどれだけ水分を含んでいるか」を示す値で、
木造住宅の構造材はJAS規格で20%以下と定められています。
小物作りのときはそこまで厳密に管理する必要もありませんが、
僕はだいたい15%くらいを目安にしています。
天然乾燥はめちゃめちゃ時間がかかる
天然乾燥とは風通しのいい日陰に木材を積み、そのまま放置するやり方です。
厚さ4~5センチの板でも材料の芯まで乾燥させるのには何ヶ月、
あるいは年単位の時間がかかります。
前述の通り、乾燥の過程では割れや反りが起こります。
材木屋さんで売られている木材はそうならないように加工を施し、
常に管理しながら数年、もしくは数十年乾燥させます。
だから無垢材や一枚板の価格はすごい高いんですね。
樹種にもよりますが、平気で100万円を超える材料もあります。
ちなみにこの画像の引用元、きくらの常藤さんはお知り合いなんですが、
広島県で一枚板を加工して素晴らしい家具を作られている職人さんです。
水中乾燥という手法を導入してます
乾燥工程の時間短縮を図るために「水中乾燥」という方法を取ります。
これは日本で昔から行われてきた乾燥方法の一つです。
伐採したばかりの木を水に漬け込むんですが、これを行うことで
材料の割れや狂いが少なくなり、乾燥時間を早める効果があります。
丸太だと数年漬けるらしいですが、僕が使うものは小さいので
せいぜい3ヶ月~半年程度です。
このように重石をして漬け込みます。
するとたった1日で水がこんなに茶色くなりました。
木に含まれているアクだったり樹液が浸出してこんな色になります。
ある程度この色が出なくなるまで水を取り替え、何度か陰干ししてから
乾燥工程に入ります。
いい感じの材料になってくれることを祈りながらただいま乾燥中です。
おわりに
今回はけやきの木材を製材して水中乾燥の工程を取りました。
作業場には同じ方法で乾燥させている大きな栗の一枚板もありますので、
そちらの紹介もしていきたいと思います。